日本人は塩分を摂りすぎ!? 減塩のコツはスパイスにあった
塩分は人間にとって大切な栄養素ですが、さまざまな健康リスクを高めるため、摂りすぎに注意が必要です。しかし日本食は醤油、味噌など塩を使った調味料による料理が多く、ついつい塩分を摂りすぎてしまうことも。減塩のためにできることはないのでしょうか?
日本人は塩分を摂りすぎ? なぜ塩分を摂りすぎてはいけないのか
日本人は「塩分の摂りすぎ」であることが国内外から指摘されています。ご存知の通り、日本では高血圧や胃がんになる人の割合が高く、これは塩分の摂りすぎが原因だといわれているのです。
平成28年「国民健康・栄養調査」(厚生労働省)の結果を見ると、1日あたりの食塩の平均摂取量は9.9gです。一方で「日本人の食事摂取基準(2015年版))」(厚生労働省)によると、男女とも18歳以上では食塩の推定平均必要量は1日あたり1.5g。なんと、必要量の6倍以上を摂取しています。さすがに多すぎますよね。
ちなみに、同資料では食塩の1日の摂取目標量は18歳以上の男性8.0g未満、18歳以上の女性7.0g未満としています。実は摂取目標量に「これを過ぎちゃダメ!」と書かれている栄養素は食塩(ナトリウム)だけ。いかに日本人が過剰摂取しているかがわかりますね。
減塩料理のための7つのコツ
1.スパイス
スパイスで香りや味にアクセントをつけて、塩味以外の味付けを楽しみましょう。唐辛子、コショー、からしなど、スパイスを単独で用いるほか、複数のスパイスがミックスされたカレー粉で味にアクセントをつけるのも一案です。
2.酸味
酢やレモン汁などの柑橘系の酸味で味付けに変化をつけましょう。
3.薬味
ねぎ、にんにく、パセリ、しょうが、木の芽、青じそ、みつばなどの薬味は、料理の飾りとしても映える上、その強い香りが脳に刺激を与えるため薄味でも満足しやすくなります。
4.出汁
かつお節やコンブ、煮干などから出る「出汁」のうま味も減塩には有効です。出汁を濃くすると、うま味が強く感じられます。ただし、市販の出汁の素を使う場合は原材料に食塩が使われていないものを選んでください。
5.香ばしさ(焦がす)
魚の焦げなど、敬遠される焦げもありますが、「香ばしい焦げ」は食欲をそそります。焼き料理、炒りゴマなどを上手に使って香りを引き立たせれば、薄味でもおいしく感じられます。
6.加工食品に気をつける
加工食品を作る際には、食塩が大活躍します。そのため濃い味付けになりやすく、食塩含有量も多くなりがちです。ハムと豚モモ肉なら豚モモ肉を選ぶ、というように食材選びから気をつけましょう。
7.調味料を入れるタイミング
醤油や味噌などの調味料は料理が出来上がる直前に入れましょう。煮物などは中まで味が染みたほうがおいしいといわれますが、直前に調味料を入れれば表面に塩分がついて、舌に乗せた瞬間に塩味を感じられるので、減塩に有効だといわれています。
こういった調理の工夫以外にも、食卓に塩や醤油・ソースなどを置かない、ケチャップやソースは料理にかけるのではなく小皿に入れて料理を付けて食べる、漬物や汁物料理は控える、といった方法があります。
スパイスは使い方も効果もさまざま!
スパイスには大きく分けて「香り付け」、「辛み付け」、「色付け」3種類の目的があり、食べ物をおいしく感じさせたり、食欲を増進させる効果があります。たとえば減塩した料理にブラックペパーやチリペパーで辛みを足せば、物足りなさが補われるだけでなく、香りが加わるなど料理のバリエーションも広がります。
スパイスは洋風、和風、中華風などさまざまな料理に応用でき、料理や目的によってスパイスを加えるタイミングも用途もさまざまです。炒める料理ではガーリックやクミンシードをあらかじめ油で加熱したり、煮込み料理には煮込むタイミングでブーケガルニやスターアニス(八角)を加えることもあれば、香りを大切にするスパイスの場合は仕上げに追加したりもします。肉や魚介類に下味としてなじませる調理法も幅広く使われます。また、わさびや山椒のように、食べる直前に添えることで素材を引き立たせるアイテムもおなじみですね。
スパイスは少量でも効果を発揮するので、一度に多くの量を使うより、少しずつ、香りや辛みなどを調整しながら使ってみてはいかがでしょうか。
また、スパイスはジンジャー、ローレル、オールスパイスなど単一で販売されていることもありますが、カレーパウダーのようにいろいろなスパイスを混合して販売している場合もあります。特に日本人にはカレーが好きな方が多いので、カレーパウダーを使ったカレー風味の料理は、塩分をおさえながら喜ばれる味になります。
さまざまなスパイスを使って、健康的に料理を楽しんでください。
ソース : House E-mag