食の錬金術師が繰り出す独創的なフレンチを新生〈アルシミスト〉で堪能!

 
 
 
白を基調とした空間に明るい光が差し込む〈アルシミスト〉のメインダイニング。リニューアルに伴い広くなったスペースに、ゆったりとテーブルが配され、贅沢な空間でくつろぎの時間を楽しめる。

白を基調とした空間に明るい光が差し込む〈アルシミスト〉のメインダイニング。リニューアルに伴い広くなったスペースに、ゆったりとテーブルが配され、贅沢な空間でくつろぎの時間を楽しめる。


9年連続でミシュランの星を獲得しているフレンチレストラン〈アルシミスト〉が開業10周年の節目に、満を持して移転・リニューアル。広々とした開放的な空間のなかで独創性あふれる料理の数々を堪能できる。

白金台駅から徒歩4分。プラチナ通りを少し入ったところに、木の格子が印象的な気品漂う建物が現れる。ここは、フランス語で「錬金術師」を意味するフレンチレストラン〈アルシミスト〉だ。2021年4月に店舗を移転し、リニューアルオープンを果たした。2階のメインダイニングに足を踏み入れると、優しい光が降り注ぐ、開放的な空間が広がる。照明や天井の曲線のデザインが空間をダイナミックかつ優美に演出する。

メインダイニングには、ライブ感のあるオープンキッチンも。そこから生み出されるのは、フランス各地で研鑽を積んだシェフ・山本健一が、食材を巧みに掛け合わせて織り成す、創造力と意外性に富んだコース料理だ。

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前菜の「雲丹×菊芋」は、燻製した菊芋のムースと雲丹をあわせた〈アルシミスト〉のスペシャリテ。風味が引き立つよう、ムースは75℃、雲丹は45℃と緻密に設計され、深いコクとふくよかな香りが口いっぱいに広がる。上に散らした菊芋のチップスやパセリパン粉、ピーナッツカカオのクランブルがなめらかなムースと雲丹の食感にアクセントを添える。

メイン料理の「ビュルゴー家 シャラン鴨×無花果」。無花果の甘みと五香粉のスパイスが鴨肉のうま味を引き立てる。

メイン料理の「ビュルゴー家 シャラン鴨×無花果」。無花果の甘みと五香粉のスパイスが鴨肉のうま味を引き立てる。

コースのメインは「ビュルゴー家 シャラン鴨×無花果」。1日30羽しか出荷されないという希少な鴨肉は、驚くほど繊維がきめ細かくやわらか。無花果の葉に包んでローストすることで、ほんのり甘やかな香りを放つ。添えられた無花果には五香粉を効かせ、ほのかなスパイシーさと無花果の濃厚な甘みが立体的に重なり合い、鴨肉のうま味に奥行きを与える。

バナナアイスには、〈アルシミスト〉のロゴのフラスコをかたどった蜂蜜のクッキーが。

バナナアイスには、〈アルシミスト〉のロゴのフラスコをかたどった蜂蜜のクッキーが。

デザートの「バナナ×パッションフルーツ」は、バナナのアイスとともにパッションフルーツが供される。パッションフルーツは、内側をキャラメリゼし、中には果肉とともにタピオカが。途中でアイスにパッションフルーツをかけることで、バナナの熟成した甘みに、パッションフルーツの酸味とカラメルのビターな甘みが溶け合い、複雑で絶妙な味わいとにぎやかな食感に変化する。

〈アルシミスト〉が繰り出す、食材、味わい、食感の掛け合わせの妙は、まさに錬金術。ひと口ごとに新たな驚きがあり、次のひと皿への期待がふくらみ、冒険心を刺激する。記憶に深く刻まれる食体験を求めて、何度でも新生〈アルシミスト〉に足を運びたくなるに違いない。

ソース : House E-mag

著者 : 平井千里さん

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